2012年09月13日
コンテンツ番号2213
少子化対策などについて4議員が質問
(2012.9.13)
平成24年北秋田市議会9月定例会の本会議が9月13日(木)、議事堂で再開され、4議員が少子化対策や市職員適正化計画などについて一般質問を行いました。
このうち、少子化対策として、市独自の特定不妊治療に対する助成制度や不育症治療費用への助成について「子どもを持つことを強く希望しているご夫婦を支援し、健やか親子が誕生することで少子化対策の強化となるよう、県や国の特定不妊治療費助成事業の対象外である一般不妊治療費助成や治療内容により保険適用外もある不育症治療費助成、特定不妊治療への上乗せ助成と併せて、市独自の助成制度を検討している」などと答弁。
また、市職員適正化計画については「職員数の削減が住民サービスの低下につながることは決して容認されないことと認識している。しかし、施設の統廃合はさけて通ることのできない課題。これは、人員削減を進めるための方策としてではなく、市民と行政の協働によるコンパクトな行政運営、それに見合った職員配置という観点から取り組むものであり、住民サービスの低下を招かないよう取り組んでいきたい」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
関口正則 議員(みどりの風)
順位:2−1
1.死亡牛処理一時保管施設の設置について
(1)生後24ヶ月以下「死亡牛の処理一時保管施設」の設置と処理業者への委託について
(2)現在利用している市内処理場の実態について
生後24ヶ月未満死亡牛の処理一時保管施設については、昨年、市内2つのJAの連名により設置の要望書が提出され、関係団体等と協議を進めています。現在、市で利用している処理場は、鷹巣地内の徳左ェ門谷地死亡獣畜埋却場で、年間約45頭の埋却処理が行われており、今後の埋却可能数は約380頭程度と試算していますが、埋却容量は必ずしも余裕があるような状況にはないと認識しています。市としましては、一時保管施設の必要性については賛同するものの、事業実施主体並びに設置後の管理運営主体については、受益者側で対応していただきたいと考えており、その旨を関係団体へ伝えています。今後、関係団体での協議が整えば、施設建設費に対しては応分の助成を検討したいと考えています。
2.少子化対策と若者交流機会の創出について
(1)成功報酬制による「お見合い世話人制度」の実施について
当市では、出会い応援隊として、北秋田市商工会青年部、JAあきた北「虹のかけ橋」実行委員会、北秋田市ハートフル倶楽部の3団体が、あきた結婚支援センターに登録し、連携を図りながら出会いの場の創出に取り組んでいます。 また、同センターの認定を受けた8名の結婚サポーターが、地域の結婚支援ボランティアとして、出会いや結婚に関する相談や、各地域での出会いイベントの開催など、地域における出会い支援活動を推進しています。 ご提案いただいた成功報酬による「お見合い世話人制度」については、関係機関と情報共有しながら、その可能性を探っていきます。
(2)若者交流機会の創出と地域や商店街の活性化施策の実施について
北秋田市ハートフル倶楽部が、昨年12月10日、大館能代空港ターミナルビルのレストランを会場に、さらに今年2月25日には市内のレストランを会場に、若者の交流の機会と出会いの場としてのイベントを開催しています。市としては、今後も引き続き関係機関と連携を図り、参加協力店を増やすなどしながら、若者の交流機会と出会いの場を創出し、さらには商店街の活性化に繋がるような取り組みをしたいと考えています。
3.観光施設の受入れ態勢整備について
(1)阿仁熊牧場への県保護センターの併設誘致について
八幡平のクマの全頭受入れについては、現在の阿仁クマ牧場の施設改修、飼養体制の整備、更には経営コストなど多くの課題解決が必須であり、これらの課題を市単独でクリアすることは困難ですので、県や関係団体などの支援を条件に、受入れを検討すると表明したものです。保護センターについては、今後の県との協議の中で参考にしたいと思います。
(2)ウィンス森吉へ宿泊施設併設協議の推移と可能性について
現在、指定管理者と連携しながら、旅館業法や建築基準法、消防法などの許認可をクリアするための施設改修について、検討を行っている段階です。この後、概算改修費を積算し、費用対効果の検討を行うことになりますが、地元の旅館や民宿等との関係なども判断材料になりますので、最終的な判断までには、少し時間をいただきたいと思います。
4.北秋田市の新エネルギービジョンについて
(1)新エネルギー政策を進めるに当たっての基本的方針について
市にあるエネルギー資源を有効的に活用しながら、公共施設への導入を率先して推進するとともに、広く市民に普及させるための啓発活動が重要であると考えていますが、併せて持続可能で環境保全や新規雇用の創出といった地域活性化についても期待できるものが必要と考えています。
(2)北秋田市の新エネルギー計画はどのようになっているのか
合併前の鷹巣町では、平成15年2月に「鷹巣町地域新エネルギービジョン」を策定しており、その一部は現在の市の新エネルギー政策推進の参考とっています。平成20年に「北秋田市バイオマスタウン構想」策定し、事業化を検討したほか、平成21年には総務省「緑の分権改革」推進事業を活用した農業用水路、河川の小水力発電事業化可能性調査や、NEDOが作成した風況マップによる風力発電の検討等を行ってきましたが、安定性やコストなど様々な課題があることから、事業化には至っていない状況です。 地球温暖化や東日本大震災以降の原発問題、電力の固定買取制度などにより、新エネルギーへの関心と期待が高まり、一部民間企業等も関心を示しています。市民の皆様からのご意見も伺いながら、新エネルギービジョンについて検討していきたいと考えています。
(3)小水力などの可能性調査を実施するべきと思いますが、どのように考えているのか
小水力については、平成21年度「緑の分権改革」推進事業により、市内の道城字上堀(かみぼり)地内の農業用水路や、米内沢字下川原地内の河川の2つの地点で事業化可能性調査を行っています。 結果的には、安定性や経済性といった面で多くの課題が見受けられたことから、事業化には至りませんでしたが、今後も様々な可能性について調査を実施し、事業化につなげたいと考えています。
垣 淳 議員(共産党議員団)
順位:2−2
1.いじめ問題について
(1)大津市の事件後、保護者の間に不安や動揺が広がっている。対策が必要でないか。
保護者は、いじめがあった時に学校や市教育委員会はしっかり対応してくれるのか心配していると思います。現在、市内の学校では学校評価を取り入れ、各学級ごとに保護者に色々な項目に対し、評価していただいている。また、自由記述として保護者から心配事や要望を書いて学校に提出していただいており、この包み隠さない情報のやり取りを行いながら保護者と学校との信頼関係は上手くいっていると思っている。また、その情報は教育委員会でも確認しており、中には厳しい要望もありますが、現在、大きな問題はないと認識している。
(2)いじめ根絶へのとりくみは。
4月から6月までの3ヶ月間でいじめの調査を行い、いづれの学校でも、いじめは存在するものと捉えている。いじめを今すぐに無くすことはできないが、学校はいじめの被害者を守ることはできると思っている。先生たちが毎日の生活において、子供たちの様子をきめ細かに観察しながら状況を把握し、いじめの兆候があった場合には、学校全体で全容を解明する。さらに被害者の安全を確保する措置を迅速に講じ、学校全体で責められている子どもを守るという姿勢を、保護者や子ども達にみせることが大事だと考えている。また、私は暴力や恐喝はいじめではなく、犯罪と捉えている。そういったものについては、法律を以って適正に対応し、状況に応じては出席停止や関係機関との連携を図り、あらゆる措置を講じていきたい。子どものいじめ、不登校については、これからも学校と教育委員会で深い連携を保ち取り組んでいく。
2.市職員適正化計画について
(1)当市の特性を生かした活性化や魅力あるまちづくりを見すえた計画にする必要があるのではないか。
計画については、職員配置及び事務事業の見直しによる増減のほか、平成28年度までの計画期間中の行政需要の増加による増員を勘案し、策定したところです。定員適正化計画では「新たな行政需要への対応」として、計画期間中に10人の増を見込んでおり、期間中は随時に業務量を見定めながら、職員の配置数を固定化することなく、柔軟性のある組織、人員配置に努めていきます。
(2)サービス低下にならないための対策は。
定員の適正化を進めていく上で、職員数の削減が住民サービスの低下につながることは決して容認されないことと認識しています。本計画では、一部で課の統廃合等を視野に入れていますが、現行の部体制を基本に適正化を進めています。しかし、施設の統廃合はさけて通ることのできない課題です。これは、人員削減を進めるための方策としてではなく、市民と行政の協働によるコンパクトな行政運営、それに見合った職員配置という観点から取り組むものであり、住民サービスの低下を招かないよう取り組みます。
(3)今後の市財政に占める人件費の割合は。
市職員適正化計画に基づく財政シミュレーションについて、平成24年度は歳出規模209億円に対し、人件費は40億円で構成比は19%です。これが平成28年度は歳出規模195億円に対し人件費は35億円で構成比は18%と見込んでいます。
(4)派遣見直しについての考え方は。
今年の4月1日現在、市から秋田県等へ派遣している職員は6人。県からは1人の派遣を受け入れており、これは観光振興課派遣職員との相互派遣としているもので、それぞれ派遣元で給与を負担することを原則としています。市町村課、医務薬事課へ派遣している職員については、研修派遣として1年間を基本に派遣しており、滞納整理機構、後期高齢者医療広域連合への派遣については、当該団体設立時の関係機関との協議により派遣しているもので、 派遣職員の給与負担については、後期高齢者医療広域連合、生活環境施設組合への派遣職員分は、派遣先から負担金として収入しており、市の実質負担はありません。
(5)職員との合意は得られているのか。
本計画については、総務部が所管し策定に取り組み、総合計画や後期基本計画を基に、その時々の行政需要を予測し、積み上げ作業を行った結果の適正化計画です。本計画は、平成24年度から平成28年度までを計画期間としており、計画期間中の事業量の増減による見直しも想定されますので、今後も庁内での協議を経て進めます。
久留嶋範子 議員(共産党議員団)
順位:2−3
1.少子化対策について
(1)特定不妊治療に対する助成制度に独自の上乗せを
(2)不育症治療費用への助成について
体外受精や顕微授精などの特定不妊治療は、保険適用外の自由診療のため治療費は高額となることから、国と県の補助事業として、平成23年度までは、助成回数が年間2回、5年間で通算10回まで、1回あたり15万円を上限として助成していましたが、23年度の申請者の1回あたりの自己負担額が、平均20万円であったことから、県は単独事業として平成24年度から上限を1回あたり20万円、回数も年間3回までに拡充しています。私は、平成24年度施政方針の中で少子化などの課題に対応するため、市独自の子育て対策に取り組む決意を申し述べているとおり、健やか親子が誕生することで少子化対策の強化となるような、市独自の助成制度として、特定不妊治療費助成事業の対象外である不妊検査や人工授精などの一般不妊治療費助成と、治療内容により保険適用外もある不育症治療費助成について、特定不妊治療への上乗せ助成と併せて、その効果的な対策を現在、前向きに検討しています。
2.自然エネルギーのまちづくりについて
市では平成20年に「北秋田市バイオマスタウン構想」策定し、事業化を検討したほか、平成21年には総務省「緑の分権改革」推進事業を活用した農業用水路、河川の小水力発電事業化可能性調査や、NEDOが作成した風況マップによる風力発電の検討等を行ってきましたが、安定性やコストをはじめとした様々な課題があり、事業化には至っていない状況です。昨今、自然エネルギーに対する関心が高まっており、市では、来月完成予定の米内沢小学校の校舎に太陽光発電システムを導入するほか、公共施設再生可能エネルギー等導入事業を活用し、今年中に一部の避難所等にソーラー式LED街路灯を設置することとしています。今後は、その状況を見ながら、日中の電力消費が多い学校や役所などの公共施設等への設置を積極的に進めるとともに、太陽光以外の再生可能エネルギーの導入についても、様々な制度を活用しながら、積極的に検討していきたいと考えています。
3.空き校舎の利活用について
当市における廃校舎の利活用として、老朽化により解体せざるを得ないものを除き、根子小学校の体育館が根子番楽伝承館として活用されたり、竜森小学校の体育館が竜森地区地域振興協議会で活用されているように、第一に社会教育施設やコミュニティ施設など地域の中心的な存在であった学校の地位を引き継ぐ施設として再出発を図ることを考えています。地域での利活用、行政としても利活用の予定がないという場合には、公募も選択肢として検討したいと思っています。 応募内容によっては、農業ビジネスのほか福祉施設や工房として、地域振興につながることが期待できると考えています。
福岡由巳 議員(共産党議員団)
順位:2−4
1.地域農業マスタープラン策定について
(1)地域農業マスタープラン策定の進行状況について
地域農業マスタープラン策定にあたり、これまで市内の対象集落の代表者説明会を1回、戸別集落への説明会を4回開催していますし、JA等が主催の研修会も2回開催されています。青年就農給付金等の関係から、早期の策定が必要な3集落については、本年9月末までに策定する予定で、現在、作業を進めているところです。今後、手が挙がった集落等から順次取り組みを拡大していきたいと考えています
(2)プラン策定とTPPとのかかわりについて
地域農業マスタープランは、地域の話し合いにより、地域の5年後、10年後の将来像を描く計画であり、TPPとは切り離して策定していきたいと考えています。
(3)新規就農者育成に関する当局の方策について
新規就農者育成については、これまでと同様、県単独事業のフロンティア農業者育成事業に対する嵩上げと、地域農業マスタープラン策定によるメリット措置である青年就農給付金の活用を進めていきたいと考えています。
(4)農地集積に関しての当局の姿勢について
国の取り組み方針は方針として、市では地域の実情にあった集積を進めていきたいと考えています。
(5)説明会の開催の仕方について
取組方針での「徹底した地域との意見交換を行いつつ」との文言については、国による取組方針ですが、市としましては、国が示したリーフレット等も活用するとともに、その都度、必要な資料等を提供しながら話し合いを進めていきたいと考えています。
2.「北秋田市農林漁業基本計画(仮称)」の策定について
(1)6月議会以降の取り組みについて
(2)策定委員会を中心に基本計画を策定すべきことについて
ご提案の(仮称)北秋田市農林漁業基本計画については、現在、近隣市町村の策定状況を調査している状況ですが、6月議会でも答弁させていただいたとおり、北秋田総合計画の第2章「豊かな自然環境に育まれる都市」づくりの第1節、「活力ある農林水産業の育成」に基づき定められている後期基本計画の実施計画に沿って、各種施策を実施しているところであり、ご提案の基本計画については、総合計画の見直し時期にあわせて、努力目標として検討していきたいと考えています。
(3)市独自の財政支援について
財源の配分は、予算全体の中で調整される必要がありますが、農業に関する市独自の財政支援は、これまでも重点的に実施しているところです。 内容としては、特産野菜振興事業や新規作物栽培取組事業、比内地鶏生産振興事業など多岐にわたりますが、その合計額は決算ベースで22年度は3,064万9,000円、23年度は5,814万円となっており、今年度の予算にも青果物振興対策事業1,350万円、比内地鶏生産振興事業300万円、カドミ分析機器整備事業150万円など合計3,100万円余りを措置しています。農業は市にとって重要な産業ですので、今後も状況に応じて柔軟に支援策を検討していきたいと考えています。
3.保育士等非常勤職員の処遇改善について
(1)正職員を大幅に募集することについて
職員の定員については、これまで「北秋田市集中改革プラン」や「行財政改革大綱」等により取り組んできましたが、この度「定員適正化計画」を策定し、平成28年度までの職員数についての目標を定め、取り組みを進めているところです。合併後の保育園入所児数の状況は、鷹巣地区は横ばい、合川・森吉・阿仁地区は減少傾向にあり、入所対象児童数も市全体では減少してきている状況もあって、市立の保育園と私立の保育園が児童を分け合っている状況になっています。 そのため、保育のあり方についての議論は、公立、私立のあり方を含め、これからの取り組みとなっており、一定の方向性が出た時点において職員採用についても見直したいと考えています。
(2)非常勤職員の待遇改善について
非常勤職員の報酬については、検討を進めていますが、6月定例会で申し上げたとおり、少し時間をいただきたい。 この後、最低賃金の改定が想定されますので、その改定を反映させたものを第1段階とし、その後に経験年数などを反映させたものをと考えています。